海神丸だより


2022年度

9月26日~30日 船舶運航概論 2組 その2

9月26日~30日 船舶運航概論 2組 その2

3日目、予定通り呉に入港しました。これが海神丸の呉初入港となります。入港中、夜間はイルミネーションの点灯も行いました。

4日目~5日目は、夜航海を含む航海となります。船は昼夜問わず24時間走り続けます。昼の航海だけでなく、夜の航海でも実習を行い、昼との見え方の違い、灯台や他船の灯火の見え方など、夜でしか体験できないものも学びました。そして5日目、無事に深江に入港しました。

夜の当直や、4時間の当直、消火ホースの水圧、双眼鏡で周囲を見張るなどなど、何もかもが初めてづくしの実習ではありましたが、学生一人一人が何か得るもののあった実習であったならば幸いです。

9月26日~30日 船舶運航概論 2組

9月26日~30日 船舶運航概論 2組

9月26日~30日、4泊5日の日程で、船舶運航概論2組の航海が行われました。今回は航海学領域の学生に加え、機関学領域の学生も乗船しました。2組では台風の心配はなく、当初の予定通り航海が行えました。

1日目深江を出港し、明石海峡を通峡後、西を目指しました。学生の皆さんは、心肺蘇生や射水の実習を行い、航海学領域の学生は船橋当直の要領を、機関学領域の学生は機関室当直の要領を学びました。そして夕刻、六島沖に仮泊しました。

2日目、錨を揚げ、三原瀬戸経由、呉沖を目指します。この日は航海、機関、それぞれ船橋と機関室に分かれ実習を行いました。途中、弓削商船高専の練習船 弓削丸とすれ違い、「UW」旗を掲揚いただきました。ありがとうございました。そして夕刻、無事に呉沖に錨を降ろしました。明日はいよいよ呉入港です。その2へ続く。

9月17日~21日 船舶運航概論 1組 その2

9月17日~21日 船舶運航概論 1組 その2

3日目の早朝3時ごろ、瀬戸内海の難所、来島海峡を通峡しました。台風の接近と時間帯のこともあり、比較的航行している船舶の数は少ない中での通峡となりました。来島海峡を抜け、針路を北東方向へ向けたところ、風と波を真正面から受けるようになり、船体は大きく動揺し始めました。そんなころ、ちょうど学生の皆さんの起床時間となりました。前日まで大きく揺れることのない実習が続いていましたが、おそらく人生で初めてとなる動揺の中での生活。船酔いをしている学生も見られました。これもまた自然を相手に実習をしている船ならではかもしれません。そうこうしていると、備讃瀬戸南航路に到達し、瀬戸内海の島々のおかげで動揺が収まってきました。この備讃瀬戸を何度も往復し、台風をやり過ごすこととしました。

3日目~4日目の実習は、実際の航海士の勤務と同じように、各班が4時間ずつ、24時間体制で当直に入る実習を行いました。4時間という時間の当直、夜の航海を実際に体験し、船舶運航のより実際に近いものを体験しました。台風の動揺と、一晩の夜航海を経験し、4日目の夕刻、大阪湾に仮泊しました。 最終日は大阪湾での航海当直を経て、深江に入港、大掃除をして下船しました。2年生にとっては初めてづくしの実習となったかと思います。今回は、見て学ぶ、というものが多かったかもしれませんが、次の実習ではどんどん主体的に実習が行えるよう、引き続き後期の授業にも取り組んでいきます。

9月17日~21日 船舶運航概論 1組

9月17日~21日 船舶運航概論 1組

2年生航海学領域の学生を対象に、船舶運航概論の授業が行われました。この授業では、海神丸において4泊5日の航海実習を行います。1日目に深江を出発し、瀬戸内海の六島沖に仮泊。2日目は抜錨後三原瀬戸を経由し呉の沖に仮泊。3日目に呉に入港。4日目に呉を出港し、夜航海を経て、5日目に深江に帰港するという予定でした。2年生にとっては初めてとなる、泊を伴う航海実習となります。しかし、1組の実習では台風が接近し、瀬戸内海付近を通過する予報となっていました。そのため、出港時点で呉入港は断念。台風の影響が少ないところに避泊する予定に変更となりました。

1日目、学生は乗船後乗船式を行い、船長訓示、乗組員紹介の後、操練を行いました。操練とは、陸上の避難訓練のようなもので、緊急時に自身がとるべき行動、緊急時集合場所の確認、警報の確認を行いました。その後深江を出港、これまでの実習を思い出しながら、出港作業を行いました。出港後は3つの班に分かれて実習を行いました。1つは心肺蘇生法の実習。人形を用い、胸骨圧迫、AEDの使用法を実習しました。1つは消防設備取り扱い実習。海神丸に搭載されている消防設備を確認したのち、射水訓練を行いました。そしてもう1つは、翌日からの航海当直に備え、航海当直の要領を学びました。そして夕刻、備讃瀬戸北航路より西側、百貫島近くに仮泊しました。

2日目、この日はさらに西側を目指します。抜錨後、三原瀬戸を通り、広島南方海域を目指します。実習は、航海当直班、機関当直班、課題班に分かれて実施しました。航海当直では、各班2時間交代で、教員とともに見張りや操船を行うほか、操舵や気象観測を学びました。機関当直では、航海学領域の学生ですが、機関の知識も必要となるため、航海学に必要な機関に関する実習を、機関長に実施いただきました。台風が接近し少しずつ風が強くなってきました。この日は広島南方海域で仮泊予定でしたが、風が強く、仮泊は断念。台風の風を凌げる備讃瀬戸にてやり過ごすこととしました。その2へつづく。

9月8日 海への誘い(うみへのいざない)

9月8日 海への誘い(うみへのいざない)

この日、海神丸では授業「海への誘い」が行われました。この「海への誘い」は、海洋政策科学部の学生だけではなく、文学部や工学部、医学部など、神戸大学の全学部の学生が受講可能な、全学共通授業です。9月6日~7日には、海運や船、船舶運航などに関する座学が行われました。そして、その知識をもとに9月8日、海神丸にて実際の船舶運航の様子を見学しました。深江を出港後、神戸港を西に進み、新港中突堤に入港しました。学生たちはここで下船し、海洋博物館の見学を行いました。海神丸はこの日新港地区に初入港しました。入港時の写真は、神戸観光局よりご提供いただきました。翌9月9日には、大型ヨットのクライナーベルクと、実習船白鷗での乗船実習を行います。

8月29日~31日 夏季研究航海

8月29日~31日 夏季研究航海

海神丸では、夏季と春季の年2回、研究を目的とした航海を行っています。今年の夏季研究航海は、2泊3日の日程で実施されました。航行海域は大阪湾で、海神丸に搭載されている観測機器の作動確認や、大阪湾断層を対象とした海底地形・海底下地層構造の調査など、3つのテーマに関する研究が行われました。

8月18日 オープンキャンパス

8月18日 オープンキャンパス

本日は、年に一度のオープンキャンパス。海神丸では、高校生の皆さんに船内を見学いただきました。参加者の皆さんは、各所での教員の説明に耳を傾けていました。

8月2日~3日 教育共同利用(帝塚山大学、甲南大学)

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神戸大学大学院海事科学研究科附属練習船は、平成26年度から教育関係共同利用拠点として、全国の大学等の機関を対象に、実習、演習、実験等、教育利用を目的とした受け入れを実施しています。この日は帝塚山大学、甲南大学合同の共同利用でした。深江を出港し、高松で一泊。再び深江に戻るという航海でした。航海中、船内では海運や船舶運航、船舶機関に関する講義のほか、実際に航海士、機関士と同じように当直に入直する航海体験を実施しました。

またこの航海では、海神丸が深江にやってきて以来初めて明石海峡を越えました。そして高松へは初入港となりました。初入港の様子を動画にしましたので是非ご覧ください。


海神丸高松初入港

番外編② 8月1日 夏休みこどもいろいろ体験スクール

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今回も海神丸での実習ではありませんが、深江キャンパス、ポンドにて行なわれたイベントを紹介したいと思います。この日は東灘区のイベント、夏休みこどもいろいろ体験スクールが開催されました。海事科学研究科では、『知ろう!学ぼう!船や消防署のこと』と題したイベントが実施されました。神戸市消防局 水上消防署から、消防艇「くすのき」がポンドに入港し、各装備の説明や、消防艇の見学、放水体験などが行われました。その後、博物館の見学や、実習船「白鷗」による港見学などが行われました。

番外編 7月23日 救命・消火実習

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さて今回は海神丸での実習ではありませんが、深江キャンパス、ポンドにて行った実習をご紹介したいと思います。航海士、機関士のライセンス取得を目指す学生は、STCW条約という国際条約に従って実習を行っています。このSTCW条約に規定されている実習の中に、救命実習と、消火実習があります。

救命実習では、救命胴衣を着用し、着衣の状態で海へ飛び込み、救命いかだへの乗り込みなどの実習を行います。学生たちはまず、救命いかだに搭載されている艤装品(ぎそうひん)の説明を受けました。救急セットがあるよ、酔い止め薬は全員飲むんだよ、オールもついているよ、釣り糸もあるよ、など、非常時にどのようなものが使用できるか学びました。その後救命いかだを海中に投下し、飛び込み、乗り込みの実習を行いました。

消火実習では、まず各消火器、消火ホース、ノズルの説明を受けました。その後、泡消火器の薬液詰め替え作業を行いました。泡消火器を搭載している船舶は、1年に1度実施する作業です。そして最後には、実際の火炎に対し、消火器による消火を行う実習を実施しました。

いずれの実習も、乗船時には自身の命にかかわる重要な実習となります。学生たちも真剣に取り組んでいました。

2022年度 4N学内船舶実習

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2022年6月21日~24日と、6月28日~7月1日、それぞれ3泊4日で航海マネジメントコース4年生の学内船舶実習を実施しました。初日は係留状態で甲板機器の取扱いや、操船シミュレータでの狭水道操船、そして実習2日目、3日目に控えている揚投錨実習の準備を行いました。4Nの実習の目玉は揚投錨実習です。全長約60mの海神丸を学生たちだけで操り、計画した錨地に錨を打ちます。船の動きや風、潮流などの外力の影響。速力逓減や船橋船首のコミュニケーション。錨の準備、投錨、揚錨作業など、今まで実施してきた座学、実習の集大成ともいうべき内容です。学生たちは事前に準備している計画をもとに、時折教員のアドバイスももらいながら、船を運航していました。

2022年度 3N学内船舶実習 その2

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3N学内船舶実習の2組目では、須磨沖に仮泊中(錨を降ろして止まっている状態)の、海技教育機構(JMETS)の練習船大成丸(写真上)と青雲丸(写真下)に出会いました。「ご安航を祈る」の意がある「UW」の旗を掲揚し、両船に挨拶をしました。海技ライセンスコースの学生も、1か月以上の長期の航海は、このJMETSの練習船に乗船し、実習を行います。

6月8日~9日 船主海上公試

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船主海上公試が1泊2日で実施されました。海神丸は、ディーゼル機関の回転数の変更や、プロペラの翼角を変えることにより、増減速が可能です。また、ディーゼル機関による推進モードのほかに、電気推進も可能となっています。各運転モードでの速力試験を実施しました。速力試験では、同じ海域を何度も何度も往復します。 スパイラル試験も実施しました。スパイラル試験で、本船の針路安定性能の良否を判断します。全速前進で舵を15度とると、船体は大きく傾斜しました。


海神丸 深江出港(ウイングの風景)

海神丸 スパイラル試験

2022年度 3N学内船舶実習

写真30

2022年5月31日~6月2日と、6月14日~16日、それぞれ2泊3日で航海マネジメントコース3年生の学内船舶実習を実施しました。初日は係留状態で甲板機器の取扱いや、操船シミュレータでの狭水道操船を行いました。そして2日目、3日目は大阪湾での航海実習を行いました。2年生の時の深江丸実習よりもステップアップした内容を行っています。 この航海が海神丸での初の宿泊を伴う実習となりました。海神丸では強制排気や空気清浄機の設置、抗菌・抗ウイルスコーティングを行うなど、感染対策に十分努めながら実習を行っています。

5月6日 海のアクティブ・ラーニング その2

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海のアクティブ・ラーニング2回目の航海でした。この日の出港の様子を動画にしました。深江出港時の船橋からの風景をお楽しみください。また、キャプテン(船長)と3/O(三等航海士)のやり取りにも注目です。 またこの日は、大型ヨットの「クライナーベルク」も出港し、帆走していました。クライナーベルクから航海中の海神丸が撮影できました。なかなか自分の走っている姿を見ることが少ないので、新鮮な気持ちです。


海神丸 深江出港 船橋からの風景

4月22日 海のアクティブ・ラーニング 本格的に実習運航がスタート!

写真28

海洋政策科学部1年生全員が受講する海のアクティブ・ラーニング。1年生を5つのグループに分け、毎週1グループずつ、海神丸での実習を行います。今日はその第1回目の運航です。この運航が、海神丸就航後初の実習となります。乗船第1号となった学生の皆さんは、まだ少しペンキのにおいが残る船内を、キョロキョロしながら乗船していました。ポンド出港後、神戸港の見学を行った後、船内でのプログラムを行います。


海神丸出港

4月19日 神戸港初入港セレモニー

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海神丸が神戸港に初入港したことを記念して、セレモニーが行われました。神戸市港湾局より入港記念の盾をいただきました。いただいた盾は、レクチャールームに飾っています。
ご乗船の際はぜひご覧ください。
この日の海神丸は満船飾でお出迎えです。

4月13日 乗組員習熟航海

写真26

本日、乗組員が海神丸の運航に習熟するための航海に出ました。これが、海神丸が深江にやってきてから初めての出港となりました。授業や実習での本格運航を前に、乗組員は各機器の作動などを確認しました。

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