海洋政策科学部長メッセージ

海洋政策科学部は、
「人と海の共生」をテーマに、
海の科学的知見、持続可能な開発、
海の平和利用を目指した
教育研究に取り組みます。

海洋政策科学部は、1918年(大正7年)に私立川崎商船学校が深江(神戸市)で開学してから今日の神戸大学海洋政策科学部に至るまで100年以上の歴史があります。当初、「士魂商才」を建学の精神とする海技士養成教育中心の教育機関として設置されましたが、それから時代と共に変遷を遂げて、現在では、1) 将来の海洋立国をけん引し、国際海洋社会をリードする「海のグローバルリーダー」、2) 海洋の持続的な開発・利用をリードする「海のエキスパート」、3) 国際物流を支える外航船船長や機関長のみならず海運業界の経営にも携わる「神大海技士」を育成する海洋政策科学部としてさらなる発展を目指しています。

本学部は、一学部一学科の中で、「海洋ガバナンス」、「海洋基礎科学」、「海洋応用科学」、そして我が国の海技士養成を支える海技ライセンスコース(「航海学」、「機関学」)の5つの専門領域を設け、それらの横断的な学びを通じて、「人と海の関わり」について洞察力を身につけ、海の科学的知見の集積、持続可能な開発、海の平和利用を目指した教育研究に取り組んでいます。

海は私たちに多くの恩恵や試練をもたらしますが、海洋立国として先進的な海の利活用を国際的にリードすることが求められます。現在、私たちの生活に必要なエネルギーや食料をはじめとする様々な物資の99%以上が海上輸送で運ばれており、海の利用と安全の維持・確保は重要です。また、世界6位の広大な排他的経済水域内には、豊富な水産物や海底資源があり、これらの利用のために、海洋の知見の充実と科学技術の推進がますます必要となります。私たちは、海洋利用と海洋環境保全を共に達成するために、科学技術を活用し、海を調査し、平和利用の国際的な枠組みを作りながら、海を理解し、海を守って行きたいと考えています。